第10章 奔放な我慢
「エルヴィンは“キスすら”って言い方してるけど、
私は抱かれるよりキスの方が、
繋がりが深い気がするんだよね。」
「……と言うのは?」
心底不思議そうに発言するエルヴィンを
見上げると、
本当に疑問を抱いているような顔をしていて、
再び頬が緩んだ。
「身体を重ねることは、愛し合ってなくても、
“性欲の捌け口”としてできる。
でも、キスや手を繋ぐことって、
欲求不満を解消するために
することじゃないと思わない?
だから、本当に気持ちが結び付いてない人とは
するべきじゃない気がするんだよね。」
そう言いきったところで、何だか偉そうなことを
言ってしまったような気がして、
一瞬口を噤むが、
「……まぁ、
私の個人的な意見なんだけど。」
と、補足の様に付け足した。