第10章 奔放な我慢
「……そんな顔をされると、
また誘いたくなるからやめてくれ。」
優しい表情で笑うエルヴィンの指先が、
そっと私の頬を撫でる。
エルヴィンの体温が伝わった部分が
一気に熱を帯び、小さく身体が跳ねた。
「え、エルヴィン。
あんまりからかわないでくれる?
さっきも言ったように、
私流されやすいからそういうことされると」
「からかってないよ。本当にそう思った。」
頬に滑らせた厚みのある大きな指が
耳まで移動し、耳輪をそっとなぞった。
それだけなのに、
色欲が湧き出してきて、身体が疼く。
確かに流されるままに抱かれてきた、
とは言ったが、
この程度触れられたくらいで流されるほど、
流されやすくはなかった筈だ。
……この瞬間までは。