第10章 奔放な我慢
「でも、こっちだってびっくりしたよ。
エルヴィンが
“掃いて捨てるほど女を抱いてきた”
ような人だとは微塵も思ってなかった。」
リヴァイの言っていたことを、
そのまま引用して言ってみると
エルヴィンの困惑した表情が目に留まった。
「……すまない。幻滅しただろう?」
明らかに肩を落としているエルヴィンを見て、
「い、いや。そんな落ち込まないでよ。
さっきも言ったけど、
私もエルヴィンたちを責められるような
立場じゃないんだから。」
そう言って、そっとエルヴィンの肩を摩る。
「……出来ることなら、
君には知られたくなかったんだがな。」
そう言ったエルヴィンの寂しそうな顔を見ると、
少し胸が痛んだ。