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オンナナレさせてみせますから

第4章 適応能力は低いほうです



「その否定はなに?」

どう言っていいのかはっきり言ってよくわかっていない。この実は別世界からやってきました、というタイミングなんかは夢小説内では全部ほとんどバラバラなのである。
最後まで内緒にしておくという道もあるし、最初にもういってしまうという道もある。
だが今、ここでそれを言うとしよう。確実に目の前で怪しげな顔でこちらの様子を伺っている佐助に心臓を一突きされてしまう。
なら隠せばいいかと思うが本物の忍び相手に嘘が通じるものなのだろうか。考えだしたら思考は止まることを知らずにどんどん深い考えをしてしまう。

「…正直なことを言って信じてもらえるかどうか」

「そんなの俺様が決める、早くいいなよ」

どうやらの場合は最初に打ち明けてしまうという展開になったらしい。

は素直に話した。
400年後の未来から来たということ、こことは異世界で直接が生きていた時間には繋がっていないこと、そしてここは作られた世界の中だということ。
怪訝そうな顔つきで聞いていた佐助だったが、実際に未来(?)で使われている携帯や洋服、保存食を見せてみれば妙に納得したような顔でそれらを見ていた。

「嘘ついてるって、疑わないんですか」

「こんな状況で嘘をつけるほど器用にも見えないし、それにアンタのことは一目見た時からここにいなかった人間みたいに思えたしね」

ここにいなかった、とはこの世界の住人ではない、というのを理解していたというのだろうか。
未だだって半分夢なのではないかと思う時だってある。あの牢に入れられていた時も長い夢を見ていて、目を覚ましたら自室に転がり込んでいたということになっているのではないかと思っていた。
だけどそれが今まで一度もなかった。
きっと本当にこの身で、この異世界の地面を踏みしめているのだと理解せざるを得なかったという感じだ。

「…ごめんなさい、私も全部理解してわけじゃなくて」

散らかした荷物をまたキャリーバッグにしまった。

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