第18章 気持ちに嘘はつけません
「ったくさぁ~、二人で見つめ合っちゃって恋かな?」
「けっ慶次やめい!!!」
と、一瞬静まり返った。
いつも、というか前はこういう会話になると幸村は破廉恥と叫びまくって鼓膜が殺られるのが当たり前だったのだが、その叫びがなかったのだ。
幸村の顔を見ると、とても真面目そうな顔で全く顔を赤く染めていなかったのだ。
それを慶次も意外に思ったのか不思議そうな顔をしていた。
「……え?なに、どうしちゃったんだい?」
「…こ、これは」
幸村はごくん、とつばを飲み込んで慶次に食い付く様に話す。
「これはッ恋なのでござるか?!!」
「初心の代名詞真田幸村様が恋?!!」
もそう叫んでから、自分に気があるのではないかと思い、硬直した。
慶次は詳しい事を聞こうと思ったのか幸村の腕を引いてどこかへ行ってしまった。
「え?なに私置いて行かれてるなんでや」
「ちゃんは俺様とお話ししようねー」
「えー」
「そこは喜ぶところですよねぇ様?」
「やめてください地味に痛いです蹴らないでください」
何処から現れたのか佐助はの真横に立って嫌そうな顔をした瞬間脹脛辺りを軽く蹴ってくる。
「っつーか旦那が恋に現を抜かすなんて…考えられないねぇ」
「なんかの勘違いでしょ」
「さぁねー」
取りあえず大将に顔をあわせろと腕を引かれた。