第1章 水
一瞬の隙が命取り。
ホースの口はモブリットを狙っていた。
この近距離で外れるわけもなく、
モブリットはずぶ濡れになった。
「涼しいでしょー?」
私はつい声をあげて笑ってしまった。
「これで終わると思うなよー?
まだまだ!覚悟!!」
尚も第二弾をモブリットに
浴びせようとすると、
すぐに蛇口を閉められた。
ホースを奪うよりも正しい判断。
少し感心した。
「あー、もう終わっちゃったー」
「何するんですか!
まだまだ仕事あるのに!」
「えー、清涼感。」
はっきりと答えた私に
もう諦めたようだ。
盛大な溜め息が漏れ出た。