第14章 優しい上司
「ねぇ、訓練なめてんの?」
「い、いえ…
そんなことはないです…。」
秋に向かおうとする
風が吹く中で、
部下を見上げるカコと、
それを見下ろして
顔を青くしているジャンがいた。
「すいません、
カコさん…
あの時は少し頭に血が上ってて…」
ジャンは、
誰が見てもわかる
反省の色を見せながら
消えそうな声で
そう呟いた。
きっかけは、
エレンとジャンの
良くある小競り合いで、
ジャンの手元が狂い
的を削ぎ切れなかった。
ということだった。
もちろん叱咤されるべきことではあるが、
そのような失敗を
無くすために
訓練を行っている。
訓練だからこそ
失敗は必要である。
ただ、
今回はカコの虫の居所が悪く、
グチグチと今に至る。