第11章 熱
再び冷え切ったタオルが
おでこに乗せられると、
スッと全身から熱が抜ける気がして気持ちよく感じた。
「モブリット仕事は?」
「あ、うん。
そろそろ戻らなきゃね。」
モブリットが
少し心配そうに
私の髪を撫でた。
「もう大丈夫だよ。」
「おとなしく寝ててね。
また少ししたら来るから。」
モブリットの
手を感じながら
私は黙って頷いた。
それを確認して、
モブリットは立ち上がり
部屋を出ようとした。
「あ、モブリット!」
私の声に
モブリットは振り返った。
「今日一緒にご飯食べよ。」
「うん、わかった。」
モブリットは優しく笑ってそう答えた。
モブリットが出て行ってから、
大きく息を吐き
目を閉じると、
暑苦しさを感じつつも
自然と眠りに誘われた。