第1章 Yellow Birthday .
…―ピンポーン
オイラん家のチャイムが鳴り響いたのは
セッティングが終わり、ニノを待ちきれない相葉ちゃんが(松潤が作った)料理を食べようとしていた時だった。(見てたのはオイラだけだけど。)
お陰でチャイムに驚いて全てがバレた相葉ちゃんは別室に連れてかれました。
……オイラん家なんだけどね。
暫くぼぉっとしてたら。
――ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン……ダンダンダンダンダンッ!!!!
「あ」
ニノのこと忘れてた。
「……今行きまぁす!」
小走りで玄関に向かって、ロックを解除。
ドアを開けると
あからさまに声が怒ってる、軽めの睨みを効かせるニノがいた。
「……遅い」
「ごめんごめん……」
やっぱり怒ってる……
「……人が折角来てやったのに……」
「ん……ホントにごめんね」
帰るなんて言わないよね……?
そしたら皆になんて言えば……
負の感情がぐるぐるぐるぐる。
何も言えず俯くと、頭に温もり。
これは……
……大好きなニノの手だ。
嬉しくて頭に手をやり、ニノの手を胸の前で抱き締める。
ニノは呆れた顔してたけど、『……しょうがないですね……』なんて言って喜んでた。
それからは今までと人が変わったように優しい声が聞こえてきた
「んもう、謝るの禁止ね」
「はぁいっ」
「ふふっ……早く中に入ろ、智」
「んふっ……どうぞ、和」
抱き締めていたニノの手を自分の手に絡め、手をつないだ。
リビングの扉の隙間から覗いて見ると、
ニコニコした松潤、翔くんと、
…………赤ちゃんの格好した相葉ちゃんがスタンバイしていた。
「わ、ちょ、智」
繋いでいた手を離してニノを前に構える。
「今いきます!!」
大声あげてリビングの扉を開けると。
パァーン………パァーン
「ぁいーーん♪」
「「ニノ、誕生日おめでとう」」
クラッカーが鳴り、驚いた赤ちゃんが泣く設定の芝居らしかったが……
「なんすかこれ」
クスクス笑いながらオイラだけに聞こえる声で聞いてきた和に
「なんだろうねこれ」
と和だけに聞こえる声で言って、
「生まれてきてくれてありがとう。和」
そっと頬に口付けた。