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苦しみの中の幸せ Part4 [銀魂]

第3章 時には昔を思い出そうか



途方もなくフラフラ歩く。
行くあてなどない。

自業自得。
誰かが言ったような気がした。

『そうね…』

小さく呟いたその言葉は、私の心をえぐった。

助けて欲しい。

もう、嫌だよ。

佐「瑠維さん?」

背後から声をかけられた。
振り返れば白い隊服。

どうやら、見廻組の見回り区域に入ってしまっていたのだろう。

『佐々木…』

悔しいけど、止まらなかった。
顔見知りに会うだけで、どうしようもなく安心してしまう。
緩んだように涙がこぼれ落ちる。
きっともうこの涙は止まらない。

『もう…苦しいよ…』

泣きじゃくる私を物陰へと導く。

『なんで私…春雨なんかに…もう…』

佐々木は何も言わず、ただ私の頭を撫でていた。
そのぬくもりは、トシとは違った。

失ったのだろうか。
もう、あの人の隣にいることは許されないのだろうか。

もうあの笑顔は、見れないのだろうか。

築くまで大変だった。
いや、築けていなかったのだろう。

ただのお遊びだったの?

恋人ごっこ?
もう嫌だよ…

こんなに泣きたくない。

その時

聞こえた気が


したんだ


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