第2章 再確認
沖「で?話って何ですかい。瑠維」
『いやいや総悟くん?話があるって言ったよね?なんで私が総悟の部屋に出向かなきゃなんないのかな?』
まぁ、話があるとしか言ってないけど、普通わかるよね?
総悟は部屋の真ん中に座り、一心不乱に腕を振るっている。
無論、テレビ画面の中で・・・だ。
『総悟、重要な話だからさ。せめてゲームはやめよっか?ほら、ポーズ画面にして』
沖「待ってくだせぇ。せめてレイアだけでも倒させて・・・いや、尻尾だけでも斬らせてくだせぇ」
『せめて頭部破壊程度にして。あ、もう壊れてんじゃん。はい、ストップ』
結局、総悟は渋々とコントローラーを畳に置く。
私は総悟と向かい合う形で腰を下ろした。
沖「で?話ってのは何ですかィ?」
総悟はようやく仕事モードに入ったのか、真面目な顔でそう聞いてくる。
『実はさ、辻斬りにあった被害者の身元を、詳しく調べなおして欲しいの。なるべく攘夷運動関係で・・・ああ、最近の事じゃなく、何年も昔の事をね』
沖「・・・なんか知ってるんですかィ?」
疑うような目つき。そりゃあそうだ。私は元とはいえ、攘夷戦争に参加した者。疑われて仕方がない。
『いや、分からないから調べて欲しいの。わかってることと言えば、池田家が絡んでて、尚且つ夜右衛門が手を引いてるってことぐらいかな』
沖「だからって、なんで攘夷浪士・・・おっと、昔だから攘夷志士ってところか」
『処刑執行・・・それのほとんどが攘夷関係。なら、こう考えるのは普通でしょ』
そうは言っても・・・と総悟は不服そうだ。
『・・・昔ね、大量粛清されるはずだった志士やその関係者が逃がされてたことがあってね』
沖「その関係者って・・・ことですかィ?」
『まぁ、その可能性が高いってだけ。こっちはこっちで調べるから、総悟にも協力してほしいと思って』