第17章 兵長を驚かせ隊
兵長の細い指が小箱のリボンにかかる。
緊張の一瞬。
箱を開く瞬間が勝負の時だ。
第一、二班に私を加えた五人は、微量の火薬を改造して作ったクラッカーを手にそれぞれの配置についていた。
「(皆さん今です…‼︎)」
エレンの右手が高々と上がる。
兵長が箱を開けた合図だ。
パーンッ パン パンッ
「サプラーイズ!」
「兵長いつもありがとう!」
「大好きです‼︎」
鳴り響く破裂音。
各々が叫ぶ愛の言葉。
瞬時に身構える兵長。
職業病なのか、咄嗟に腰元へ当てた手はトリガーを掴む仕草をしている。もちろん今は無装備だ。
そんな所がまた彼の可愛らしさなのは言うまでもなく。
次の瞬間、兵長の顔がわずかに赤く染まったのを以ってサプライズ作戦は大成功を収めたのであった。