第9章 あんま他のツンデレと仲良くしてんじゃねーぞ
(っ……お、俺なんでキスっ……)
カインは恥ずかしくてどうしようもなくて、口に手を当てた。
なぜ、自分からこんな事したんだろう……
カインはついさっき、ハンスととても濃厚なキスをしてしまった事について、頭の中もぐるぐると回っていた。
(あんな……あんな……恋人みたいなこと……俺男なのにっ!)
カインは自分で自分が解らなくなってしまった。
「な、なんで……」
思わず考えている事が口を出てしまった。
「ん……?して欲しそうな顔、してた」
ハンスは愛おしげに見下ろしながら告げる。
(そんなぁ……)
カインは心臓が限界になり、そのまま勢いよくハンスを部屋から追い出した。
(もうだめだ、これ以上一緒にいたら身の危険を感じるっ)
明日からのお城での生活に、一抹の不安を抱いた長い夜が過ぎていった。