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妖怪町.手伝い係

第2章 【一大事】門解


そして、とうとう出発のときがやってきた。

「...なんじゃ、その大きな荷物は...」

呆れ顔で化け狐が言う。

「なんか...あれもこれもってなってくるうちにこうなった。」

と言うと化け狐は僕のリュックのチャックを開き、中身を取り出した。

「服なんぞ、いらん。妖怪町に腐るほどある。」
「でも妖怪だからさ...僕のサイズと合わないかなーって...」
「妖怪は妖怪でもちゃんと人型のもおる。」

そういって化け狐は服を全部取り出した。

「...なぜ、食べ物がいるんじゃ。」
「いやあ...人間には食べれない食べ物が妖怪町にはあるのかなーと。」
「んな心配はせんでいい。妖怪町は美味なものばかりじゃ。」

次々とリュックに入っていた食べ物を取り出した。
その他にぶつぶつ言いながら次々と取り出していく。
気づけばリュックの中身はほとんど入っておらず、ペン類ぐらいしかなかった。

「なんでペンは必要なの?」
「ペンは妖怪町にあるんだけど...」
「だけど?」
「なにせ妖怪だからな...力が強くてすぐポキッなんじゃ。それか遊び道具として使ってしまう。」

あー...と僕は頷いた。

「それと、もっと小さい鞄はないのか?」
「あ、ちょっと待ってて。」

と自室へ行き小さめの鞄を取り化け狐のところへ行く。

「これで!」
「おお、ええのぅ。そんくらいでいいんじゃ。」

と化け狐はペン類が入っている筆箱を鞄の中に入れた。
そして、すべての準備が整った。


「よし、行くか。」

化け狐は立ち上がり紙切れを懐から取り出した。
そして、その紙切れに火を一瞬でつけて紙切れが燃え尽きると共に、

「門解!」

と言った。すると辺りは明るくなりどこかへと吸い込まれていくようだった。





「行ってきます...」       
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