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イナクナッテシマエバイイ…

第6章 村のショウタイ


優稀は、そんな事を思いながら1人で歩いていたのだった。すると、遠くの方から無数の足音が優稀の耳に入ってくる。思わず、身体が強張る。


「……っ、だ、誰だ!!」


優稀は、声を張り上げる。


「そ、その声…優稀か?!」

「え………??」


まさかの声の正体は、蓮の声だった為、優稀は抜けた声を出す。足音が段々と大きくなっていく。そして、蓮と香李の姿が見えてきた。


「優稀ッ!」


香李は、そんな風に声を張り上げて優稀にギュッと抱き付く。それも、力強く。


「良かった…蓮も香李………無事で………。」


優稀は、優しく香李を包むように抱き付く。良かった、良かったよ…と呟くに言って香李は優稀の腕の中で泣き続ける。ところで…といきなり真剣な表情へと変える蓮。


「優稀、稟はどうした??」


稟という言葉を聞いて、一瞬だけ優稀の身体は強張る。心配そうに優稀を見る香李。


「よく、分からないんだ。ただ、今の鈴欄は異常だと感じている。」

「そうだろうな。詳しくは歩きながら話す。今は、此処から離れよう。」


そう言って、3人は合流して歩き始めるのだった。
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