第6章 村のショウタイ
蓮は、続けていった。
「優稀の場所は、わからねぇが。とりあえず、優先として武器を探すぞ!」
「う、うん…。」
香李は、戸惑いながらも頷くのだ。2人は、歩き始める。というものの武器らしき物は、何処にもない。長い通路しかないのだ。蓮は、武器な~と呟きながら歩いている。一方で、優稀は檻の中で抵抗をしていた。鎖から聞こえる音は、先程とは違っていた。
──もしかしたら…。
優稀は、1つの確信を持ち引っ張り続ける。その時だった。
「何シテルノ???」
稟が優稀に話し掛ける。彼は、息を呑み込み顔を上げる。其処には、不気味な笑みを浮かべている稟の姿。優稀は、鎖を引っ張るのを一旦止める。
「とくに、何もやってないよ。」
「…………。」
優稀の言葉に、黙る稟。すると、彼女は檻の鍵をガチャと開ける。その時、僅かに優稀の体がピクリと動く。稟は、ゆっくりと優稀に近づいて、彼の目の前まで歩き止まる。やがて、彼女は彼と同じ目線の高さまで体を縮こまった。