第1章 久しぶりの…………。
この2人の会話は、彼女達は聞こえていなかった。彼女は、彼女達で何か話している。この後…どうしようかと………。
「稟……どうする?このまま、私達帰る?」
香李は、稟に聞くと稟も、一旦考えてから素直に頷くが、少し困惑した表情を見せる。香李は、どうしたの?と聞き返すと、稟の言葉に、皆は言葉を失う。
「じ、実はさ……。次の電車が、夕方なんだ……。」
「……えっ?夕方……?」
優稀は、腕組みをして何かを考えていた。
「優稀?」
香李は、優稀を見て不思議に思ったのか、彼女は彼の名を言った。しかし、優稀は何でもない、と首を左右に振る。
「此処に居ても仕方ない。駅に戻って待ってよう…。」
優稀の言葉に、皆は頷き元の道に引き返そうとした時……。
「……マッテヨ……。」
奇妙な声が、聞こえてきた。皆は、息を呑み込み聞こえてきた方向を見る。其処には、鋭いナイフ……いや……包丁を持っていた少女がいた。
「………え………。」
香李の声が、漏れる。少女は、ゆっくりと香李達に近づいてくる。
「…い、いやあああああぁぁぁぁーーーッ!!」
稟は、声を張り上げて村の方へと走り出す。それと同時に、香李は、稟ッ!!と叫び稟の後を追い掛けていく。
「香李、鈴欄ッ!!蓮、追い掛けるぞ!」
「あ、あぁ……。」
優稀は、蓮に声掛けて走り出した。蓮も、頷いて一度、少女の方を見てから走り出す。