第6章 村のショウタイ
平然と喋る蓮。それに対して、開いた口が閉じない香李。やがて、双子…と呟くように言う香李だった。やがて、1つの結論に辿り着く。
「そ、それじゃあ…今の稟は…。」
「俺と兄妹ならば、《ヤンデレ》の思考は持っている筈だ。だから、今のアイツは…《ヤンデレ》となった稟…という訳だ。」
双子という言葉でも信じられないというのに、更に言えば稟も此処の出身者という事も分かった。そこから、推理していけば今の稟は、ヤンデレと化した姿だ。
「稟………なんで………??」
「俺に聞かれても知らねぇよ。」
蓮は、眼鏡を上げて言った。
「もしかしたら、此処が廃村してた事を知っていた…??」
稟が此処の出身者ならば、この村が無くなったと知っていてもおかしくはない話だ。流石の蓮は、途中で引っ越しした為、廃村は最初知らなかったみたいだった。だが、此処に行く前、どうやら両親から聞いたみたいだった。あの時は、信じられなかったみたいだったが、写真を見せられて納得したが、それでも来てしまったのが蓮だった。
「なんで、稟は《ヤンデレ》になっちゃったんだろう……??」
「んぁ?本で読んだが《ヤンデレ》になるキッカケは、好きな奴が現れて……。」
蓮は、そこまで言った瞬間止まったのだ。香李は、首を傾げていた。彼は、好きな奴…ともう一度呟くように言ってから急に顔を真っ青にさせる。
「まさか……稟の奴………。狙ってたのは……。」
「れ、蓮?!ど、どうしたの!?」
蓮が真っ青になった為、香李は慌てて彼に質問する。蓮は、歯を食い縛って苦しげな表情を浮かべて言った。
「アイツの狙いは……優稀だ。」