第10章 …してもいい?
コロシテモイイ…?
って言われた気がしたけど…。
私はいったばかりの働かない頭で考える。
…けどわからない。
どういう状況?
なんとなくぼんやりと彼の顔を見上げ続ける。
このままお湯の中に沈めるの?
私の目からいつのまにか涙があふれててぼんやりした視界が余計にぼやける。
自分のはぁはぁした息遣いと時々お湯のチャプチャプする音だけが大きく聞こえる。
私は返事をするために息を整えて唾を飲み込む。
けど口の中がカラカラに渇いていたみたいで軽くむせる。
私は大きく息を吸い込みとりあえず呼吸を整える。
そして言う。
「いいよ」
声がだいぶかすれて出た。
彼が私を抱えていた手を離す。
チャプ……
私の身体がお湯の中に沈む。
……
……