第3章 past -過去-
………………………
ガチャッ……!
「ただいまー!」
小学校から帰ってきたの声に、応える人間は誰もいなかった。
「……そっか。お母さん、いないんだっけ……」
昼から仕事に出るようになった母親。
帰りは日に日に遅くなっていく一方だ。
「……」
靴を脱ぎ散らかし、急いで二階へ駆け上がる。
部屋に向かう途中、一つの部屋の前を通り過ぎた。
父の部屋だ。
ピタッ……
の足が止まる。
……しかし、それもつかの間。
は直ぐに自分の部屋に入り、乱暴にドアを閉めた。
【大好きだったお父さん】
【大好きだったお母さん】
【大好きだった家族のカタチ】
壊してしまったのは
ワタシノセイ………………?