第6章 空虚と決意
リアが眠ったのを見届けると、
エルヴィンは自分の内ポケットから一枚の栞を取り出した。
中に挟まれているのは一輪の小さな花。それはリアが倒れたときに掴んでいた花だった。
どんな思いでこの花を摘んでいたのか。
誰を思って離さなかったのか。
すべてがリヴァイに繋がると思うと胸が苦しくなるが、リアにはリヴァイを思い出すきっかけが必要になると思い栞にしたのは自分だった。
これを渡せばきっとリアはリヴァイを思い出し、私から離れて行くだろう。彼女の笑顔を望みつつもそれを阻止しようとする自分がどうしようもなく情けない。
「リア…。」
エルヴィンは力なく呟く。