第22章 第31層~第40層 その4 "Twin×Twin?"
夜―それは誰も知らない時
夜―それは知る物だけが知る時
今宵は月明かりと風だけが"それ"を知っている
「んっ……んむっ…んあ、あ、あぁ……」
風は陶酔に満ちた声と薫りを運ぶ
月明かりは"宴"の場を照らしている
"宴"の中央には一人の少女
自身の素肌を余す所なく露としている
彼女の周りには幾人もの男
全員が虚な目――己の意識があるかも定かではない
だが全員が少女と同じように素肌を晒し、怒張した肉棒を夜の空気に晒している
「そうよ…もっともぉっと、気持ち良くなるように、動いて良いのよ……あむ…んんっ―」
男に跨がり、その身に受け入れ、腰を振る
同時に少女は両手と口で差し出されたものをくわえ、扱き、刺激していく
「ん、ん、ん…ぷはっ――ふふ…」
代わる代わる突き出された怒張が膨らむのを感じ、少女は刺激を強める
腰の振れ幅を増し、手の勢いを強め、口をも前後にスライドさせる
そして――
「んんんっ―――!」
―突如、怒張が弾けた
白濁した液が飛び出し、少女の全身を染めた
「はぁ…はぁ…」
少女は荒くなった息を整えながら立ち上がる
直後、男達が倒れた
脈絡もなく、まさに"突然"である
しかしそれこそが少女の狙い
正確に彼女の目的は違うのだが、この方が"処理しやすい"のだ
少女が指を鳴らすと男達の影が男達を包む
次の瞬間、男達の姿は無く、影だけが少女に集った
集った影は少女をも包む
だが先程とは違い、少女は少女のままそこにいた
彼女の身体中に付いた白濁した液は既に微塵も無く、軍服然とした服に身を包んでいた
「……マレウス・マレフィカム」
少女は小さく呟く
それが"宴"から戻る呪文だから
(そろそろ取らないと、クリストフがうるさそうね…)
ならば暇を見つけて取りに行こう
少女はそう決めて、たった一人になった夜の中を歩き始めた