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SAOGs

第13章 第11層~第20層 その5 "進撃"


赤い光のビームは一本ではない
変異したであろう触覚から連続で放たれている
今は避ける事を考えて、走る
だが、目の前には変異したボスが出て来た際に広がった穴―避けるにしても、それを迂回するという前提が付く

拡散して動けないが故に、左右の道は混雑し、そこにビームが襲う
また、ビームだけでなく触覚そのものも、物理的に攻撃をしてくるようになり、危険度は更に上昇する
何より厄介なのは、このボスが常時空中にいるという事だ

いつぞやのように、空中に足場がある訳でもない
攻撃の手段が限られてしまっている―これこそが最も厄介な部分であった

「だけど、何とかしてみせる。ダヤッカ!!」

「おうよ、任せな!!」

シモンに呼応して飛び出したダヤッカと呼ばれた男
彼の手にあるのは――錨

あれは武器に分類されるのか?―とも思ったが、どうやら武器として認識されているらしい
ブーストをかけて投げられたそれは、本来の使い方とは真逆である筈の上空へ向かい、触覚の一本に巻き付いた

「ぬおぉぉぉぉ!!」

そのまま彼はボスが地上に落ちるように、力任せに引っ張った
あの巨体を引っ張れるのかと疑問に感じたが、思いの外あっさりとボスは引っ張られ、地上への道に乗った

引っ張られるボスもただ、引っ張られるだけではない
数本の触覚を繰り出して、錨の男―ダヤッカへ攻撃を仕掛ける

「甘い!!」

だが、それは間に入った男―キタンが剣のように槍を振るい、触覚を払う
ダヤッカへの攻撃を防がれたボスはそのまま、地へ墜ちる事となった
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