第10章 episode 10【ルイ】〜愛情〜
ルイはそのまま優しく目を細め、一輪のアイリスをルリーの髪にそっ…と飾った。
ルリーはその素敵な髪飾りに、一段と頬を染めながら“ありがとう”と微笑んだ。
「ルイは今日、何故お城に…?」
「ん……今日はジルの所に用事」
相変わらず二人の会話は、ぽつ、ぽつと静かに交わされる。
「ルリーは…お茶会…?」
「今日は久々のお休みを貰えたの」
「けど、いざお休みとなると、何をしたらいいか解らなくて……」
ルリーが困った様に笑うと、ルイは少し考える様に空を見上げた。