第10章 episode 10【ルイ】〜愛情〜
「ルリー様………」
メイド達が少し、申し訳なさそうにしているのを肌に感じ、ルリーは慌てて、
「あ、違うの。ただ懐かしいなって思っただけで……それにね、ここでプリンセスとして暮らしてるのは私の意思だから……それに皆さん優しくしてくれるから、ね?」
ゆっくり微笑みながら、正直な気持ちを伝える。
メイド達も、ほっとした様な表情を浮かべて喜んでいる様だった。
「ルリー様、お茶が冷めてしまいました。新しい物をお持ち致しますね」
ルリーが頷くと、メイド達は支度をするためにお城の中へ戻っていった。