第4章 episode 3【ユーリ】〜出会い〜
少し厳しい口調で告げられ、ルリーは口を紡ぎ俯いた。
(セレモニーまであまり時間もないから、ちゃんとプリンセスの自覚を持たなくちゃ……)
そんな様子を後ろで黙って見ていたユーリは、
「それじゃ、ルリー様、そろそろお部屋戻ろっか。」
「午前中は乗馬の訓練だからね、着替えなきゃ」
そう告げると、軽くルリーの肩を抱いて立ち上がらせる。
「ジル様、ルリー様をお部屋に連れて行くね」
そう簡単に挨拶すると、ユーリはルリーの手を引いて部屋を出て行った。
「…………」
ジルはそんな二人を見つめながら、ふぅ、と溜め息を零した。