第4章 episode 3【ユーリ】〜出会い〜
「俺ね、ルリー様のためならなんだってしてあげるよっ」
そんな甘い言葉も平気で語りかけてくる執事に、ルリーはくらくらしっぱなしだった。
(話しやすいけど、何処か掴めない…ユーリは一体どんな人なのっ……?)
そんな事をぼんやり考えながら、食後のカプチーノを口に含んでいると、
「朝からそんな調子では困りますよ、プリンセス」
「っ、ジル」
ぼんやりしていた事を指摘され、ルリーはジルの顔を見上げる。
「本日から、セレモニーに向けてのレッスンを始めます。」
「セレモニーまで、ぼやぼやしてる時間はありませんよ」