第22章 episode 16-4【アランEND】〜守りしもの〜R18
暫く二人は無言のまま抱き合っていた。
「流石にそろそろ戻らないとな」
先に口を開いたのはアランだ。
ルリーは本当はもっと一緒にいたかったが、うん、と答えた。
「そんな顔すんなよ、戻したくなくなるだろ」
アランはそう耳元で囁くと、ぎゅっとルリーを抱きしめた。
そしてどちらからともなく、また口づけを交わすのだった。
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舞踏会は大成功のまま閉会し、ルリーは自室に戻っていた。
(今日は色々な事があったな……)
アランの事を諦めるつもりでいたのに、まさかアランからあんな言葉をもらえるなんて……
バルコニーでのアランとの会話が思い出され、ルリーはまた顔が火照るのを感じた。
(もう、今日はドキドキして眠れそうにないよ……)
ルリーは暫く心を落ち着けるために図書館から借りた本を読み更けた。