第21章 episode 16-3【アランEND】〜守りしもの〜
舞踏会の夜、シュタイン城はいつにもなく騒がしくなっていた。
沢山のシュタインの貴族達が舞踏会へと来ていた。
「お城の舞踏会なんて何年振りかしら」
「ゼノ様と踊るのはウィスタリアから来た庶民出のプリンセスらしいぞ」
「まあ、そんなプリンセスにゼノ様のお相手が務まるのかしら?」
様々な会話が貴族達の間で交わされている。
アランはルリーの事が気がかりで仕方なかった。
(あいつ……大丈夫なんだろうな)
いつものウィスタリアでの舞踏会なら、周りには信頼できるジルやルイがいる。
しかし、ここではウィスタリアのプリンセスなど、好奇な目でみる貴族達の見世物だ。
アランはルリーが来るまで気が気ではなくなっていた。