第20章 episode 16-2【アランEND】〜守りしもの〜
「俺は騎士だ……お前を護りたい……そのためだったら死んでもいい」
真っ直ぐにルリーを見つめる緋色の瞳からは、真剣な気持ちが伝わってくる。
「俺は……自分で自分が解らねー……俺はお前を一番に護る騎士なのに、お前の側にいるために、その騎士の称号を捨てる事ができるのか」
ルリーの側にいるという事は、国王になり騎士の称号を捨てる事……
ルリーは今更になって、アランに気持ちを伝える事は、アランの誇りを捨てる事になるという事に気が付いた。
「俺は……お前を……っ」
アランの苦しんでいる顔が、ルリーの瞳に焼きついて離れない。
その夜は、二人で一緒の毛布に包まっていたのに、心はまるで遠くに引き裂かれたみたいに離れていた。