第20章 episode 16-2【アランEND】〜守りしもの〜
ルリーは何かを悟り、徐にアランの腕に触れた。
「ごめんね、アラン、ちょっと腕見せて?」
しかし、アランは眉間に皺を寄せて頑なに見せようとしない。
「もう!怪我……してるんでしょう…?」
既に泣きそうな顔のルリーに、アランはグッと堪えていたが、観念したのか、上の甲冑を外し始めた。
上着も全て脱ぐと、肩には先ほどの戦闘で受けたのか、生々しい傷が付いていた。
「……どうして…どうして言ってくれなかったの?」
「別にこのくらいの傷、大丈夫だったんだよ」
「でも……それなのに私の為なんかに…」
「お前のためだからだろ!」
ルリーの言葉を遮るようにアランが口を開いた。