第19章 episode 16-1【アランEND】〜守りしもの〜

そうこう話をしている間に二人は、騎士団の訓練場まで来ていた。


「まぁ、とにかくジルもこの話受けるみたいだから、そのうち直々に要請くるんじゃないかな」

「お前、じゃあなんで今俺にその話したんだよ」

「ん？だってこんな面白い話、ジルより先に反応みたいじゃん」


アランはハァ、とため息をつきながら、ふと、ルリーの事を思い出した。


「おい、シュタインに勿論ルリーは行かねーよな」


アランのその問いに、レオは少し表情を固くしながら、ルリーも同行する事を伝えた。


「なんでだ！俺は反対だ。まだ向こうの思惑も解らないのに、そんな危険な事させられる訳ないだろ」

「向こうが是非、と言っているらしいよ。国王との対談も日程に入れてあるみたいだし」

「あと……ジルも何か考えがあるみたいだ」


レオの最後の言葉を聞き終える前に、アランは険しい表情のままその場を去ろうとしていた。


「どこに行くつもり？」