第15章 episode 13-2【ジルとユーリ】〜たかが愛〜
……ジルは自分の感情に戸惑っていた。
自分はプリンセスの教育係であり、規定によりただ唯一、プリンセスの次期国王候補から除外される存在だ。
ジルはその立場を誇らしく思っており、ルリーの事も完璧なプリンセスにして差し上げたいとも思っている。
しかし……
そう思えば思うほど、何故か狂おしいほどにルリーに焦がれる自分がいた。
いつかのバスルームでの出来事の様に、突然ジルの奥底に隠された感情が表れるのだ。
公務に於いても、ルリーが他の男と楽しそうに談笑しているのでさえ、虫唾が走る。
私情を挟むなど、自分が一番嫌っていた筈なのに……