第1章 君がいない、あの日から・・・
しかし、その約束は叶わなかった。
その半年後、アルはアルバイト中に貴族の騎士に強姦され処女を消失したショックでフレンを拒絶した。
その後アルは自殺を図り川へ転落し一命をとりとめたが植物状態になりずっと眠っている。
その一方でフレンは複雑な思いを抱いたままではあったが仕事を熱心にこなし小隊長からフレン隊の隊長へ昇格した。
そのため、アルの事を知ったのは其から2ヶ月後のことだった。
アルが入院している病院へ急いで行くとそこにはただ息をしているだけのアルがいた。
フレンがどれだけ名前を呼んでも目を冷ますことはなかった。
それから今に至る。
今だに目を覚ます気配の無いアルを2週間に一度、必ず会いに行くが目を覚ます事はない。
「聞こえてる?君の名を呼ぶ僕の声」
君がいない、あの日から・・・ ずっと ずっと さがしてる
「指切りしたじゃないか
『星空をまた見に行こう』って……」
フレンは呟いた。
月夜の静けさのなかフレンはをただアルの事を想っていた。