第1章 君がいない、あの日から・・・
フレンside:
「フレン!!」
下町の宿屋の前で立っていると何処かから僕を呼ぶ声がした。
声のした方へ振り向くと手を振り淡いブラウンの長髪を揺らしながら走ってくる女性がいた。
「アル!」
アルはフレンに飛び付くと満面の笑みを浮かべた。
「やっと会えた…」
嬉しそうに呟いた彼女を抱き締めながら僕は笑みを溢す。
「あまり来れなくてごめんね?」
僕はそっと髪を撫でる。
彼女は微笑むと僕の胸に顔を埋めた。
「ね?フレン、行きたいところがあるの一緒に行こ?」
「行きたいところ?」
彼女は微笑むと僕の手を引いて歩き出す。