第2章 HAPPY BIRTHDAY 6/18*黄瀬涼太
その日の俺は一日中その事を考えていた。
自分から言ったら流石に図々しいだろうか。
でも俺は遥っちに祝って欲しい。
いや、でも........
ずっと同じ事が頭の中を回る。
黄瀬「あーもう!分かんないっス〜!」
とりあえず部活へ行こうと荷物を持って席を立つ。
部室へと足を進めるがいつもに比べ明らかに足取りが重い。
黄瀬「はぁ........」
自然と溜息も出てしまう。
やっぱり大好きな彼女には祝って欲しかった。
部活中もこんな様子では絶対にシバかれるので、気持ちを切り替えようと頭の中から雑念を追い払う。
大きく息を一つ吸った後に部室のドアをあける。
その瞬間、「パァンッ!」と大きな音がして視界が様々な色で彩られる。
そしてその向こうにいるのはいつもの見慣れた顔が並んでいる。その中には遥っちの顔もある。
「「「「「HAPPYBIRTHDAY黄瀬/君‼︎」」」」」
数秒遅れて先程の大きな音と沢山の色はクラッカーによる物だと気付く。