第4章 忘れられない君のこと*
君と離れてあの時、想いを全て伝えれば良かった。
そんな後悔を何度しただろう。
きっと数え切れないね。
あれから数年、私はもう一度ここに戻ってきた。
また何処かで会えることを期待して、教室の扉に手をかける。
何人もの視線が集まり、緊張する。
「えっと、新海遥っていいます。ここには3年ぶりに戻って来ました。よろしくお願いします。」
それでも精一杯自己紹介をする。
クラスの人を見渡すと、後ろの方に”君”を見つけた。
君は昔より少し大人っぽくなった顔で驚いた表情をしていた。
思わぬことに涙が出そうになったけれど、必死に押さえ込んで笑顔を見せる。
今度こそ君に伝えられるだろうか....?