第7章 ~化物~
幸村の腕の中で泣き崩れた政宗は、泣き張らした眼を擦りながら話し掛けた。
「・・・すまねぇな、真田・・・ダッセェ所見しちまってよ・・・」
「・・・否・・・政宗殿は、某の大切な友で御座る。当然の事を、したまでで御座る。」
幸村はハンカチで、政宗の泣き張らした眼を拭いながら答えた。
「・・・政宗・・・お前の弟は今、何処にいんだ?」
「・・・小次郎・・・?」
そんな二人の間に、元親が割り込んで来て、弟の所在を聴いて来た。
政宗は、元親の問い掛けに首を傾げ打が、顔を歪ませながら答え始めた。
「・・・えっと・・・朝、一緒に登校して・・・其以降は、全然逢ってねぇから・・・居場所何て知らねぇぞ?」
「・・・逢ってねぇ?」
「お・・・おぉ・・・」
元親は、政宗の答えに顔を歪ませた。
其も其の筈、政宗に異様な執着を見せた弟が、学校で兄に近付いて来ない。
其所か、登校時にしか接触して来ない。
『・・・絶対・・・裏があんな、此・・・』
元親は、爪を咬みながら考えた。