第1章 ++ガラスの青い鳥++
「お前、何言ってんだ?」
お前以外に誰も居なかったぞ。
だからオレは姿を出したんだ…というフォルテに、シャムロックは自分の手の中にあるガラスを見下ろした。
「夢…じゃないよな?」
籠鳥恋雲──
瑠璃も玻璃も照らせば光る──
『自信を持って、シャムロック』
きらめくような笑顔と声で、少女はそう言った。
シャムロックは目を細めて、少女が居たはずの場所を見つめる。
『──いつでもあなたを見つめているよ』
かすかに声が聞こえた気がした。
はっと見上げると、そこには光輪を輝かせる太陽。
「また…会えるよな?」
シャムロックの呟きに応えるように、春の暖かい風が彼の頬を拭っていった──。
+++fin