第39章 変化していく心情。
あの時から全てが狂いはじめて…
各々の心情が大きく変化していった。
私だってそうだったのかもしれない。
いつしか、
キセキの世代の出る試合を観戦するのは
憂鬱なものになっていった。
そこに"絆"というものは
存在しなかったから。
勝てばいい。
勝つことがすべて…
勝利こそ正しい…。
そこに見たのは
絶望だったのかもしれない。
黒子くんの昔話に耳を傾けながら
懐かしさと同時に
少しだけ感傷に浸っていた。
"ブーブー"
私のポケットに入っていた携帯が振動する。
私は慌ててポケットから携帯を取り出す。
るり「あ、すいません!ちょっと電話出てきます!」
火神「おう。」
リコ「黒子くんの話し、先に進めててもらうけど大丈夫?」
るり「はい!」
私はそういうと、
すぐにベランダへと出た。
電話の主は
私の父親だった。
嫌な予感がした。