第18章 温泉合宿~その1~
私は結局電話は掛けなおさなかった。
WCで必ず嫌でも会わなければいけない。
それに、話すことなんて特にないし…。
赤司くんの名前を見て、
私は決めた。
中途半端に伸びたこの髪を
切りに行こうと。
入学当時には肩につかないぐらいのボブだった髪が
肩につきかかっていた。
まだ、時間もまだ遅くない。
私はその足で、かかりつけの美容室へ向かった。
急な来店にも関わらず、
担当の美容師さんの吉沢さんは対応してくれた。
るり「すいません、急に。」
吉沢「もぉーいいのよぉ!るりちゃんはお得意様だから♪で?今日はどうするの?毛先だけ切る?」
るり「いえ、前みたいに短くしてください。」
吉沢「…え?もう昔みたいに伸ばさないの?」
吉沢さんは少し不思議そうな顔をした。
るり「…はい。」
吉沢「OK!任せてぇー!るりちゃんは短くても可愛いもんね!」
そう言って吉沢さんは準備をしはじめた。
吉沢「でも、こうして急にるりちゃんが来ると、あの日の事思い出すなぁ」
吉沢さんははさみで私の髪を切りながら呟いた。
るり「あの日の事…ですか?」
吉沢「るりちゃんがブツ切りにされた髪で駆け込んで来た時よぉー。もうなんかの事件かと思っちゃった。」
るり「あぁ。」
吉沢「あれって本当に自分で切っちゃったの?」
るり「…はい。」
吉沢「・・・そう。何かあったらすぐ誰かに言うんだよ?」
るり「はい。」
吉沢「学校は楽しい?」
るり「はい!すごく楽しいです!」
私は吉沢さんに学校であった事をいろいろと話した。
吉沢さんは楽しそうに聞いてくれた。