第15章 進路
~蔵馬side~
オレは今、担任の先生から進路相談を受けていた。
今は十二月。
受験に向けて高校への進学をどうするか話し合う時期でもある。
先生「南野、お前は盟王から案内が届いているんだ。先生もお前の成績なら盟王に進学しても問題ないと思うんだが…どうする?」
「……盟王ですか…」
私立盟王高等学校。
この辺でも有名な進学校だ。
元々盗賊だったオレは、勉強にも苦労せずにテストの点数がとれている。
他の生徒たちは受験勉強で必死だろうが、オレはそこまで必死に勉強することはない。
先生「何か他に希望はあるか?」
「まぁ…とくには…」
先生「……もしかしてお前」
「?なんです?」
目を細め、オレをジッと見る先生。
なんなんだ?
先生「そうか、お前土御門と同じ高校へ行きたいんだな」
「えっ……まぁ、できれば……」
まさか見ぬかれていたなんて…。
というか…
「先生、どうして時音ってわかったんですか?」
先生「ん?そりゃまぁお前ら二人が幼馴染みなのは知っているし、しかも最近いい感じなのはわかっているぞ!
グス…いいなぁお前は。中学から可愛い彼女がいて。
先生なんかまだ独身だぞ……」
「はぁ…」
そんなことを今オレに言われても…。
それにいい感じって…まぁオレとしては嬉しいが。
先生「だが南野、諦めろ」
「…は」
先生「お前は土御門とは同じ高校には行けない」
「……どうしてですか?彼女なら盟王でも十分な頭を持っているし、盟王より下の学校を選ぶつもりなら、オレは時音の行く方へ進学しますよ」
先生「…………南野、お前本当に土御門にベタ惚れだな。優しいヤツだなお前。
残念だがそうじゃなくてだな、土御門のヤツ…聖皇学院を選んだんだ」
「せっ、聖皇!?聖皇ってあの金持ちが沢山通っている…」
先生「しかも盟王と並ぶ超頭の良い名門校だ!!」
「でも一体どうして…」
先生「本人に聞け、本人に…」