第14章 公認
……ん?待てよ……
私の部屋に行こうって言い出したのは秀一で…
まさかっ!!
「秀一!!もしかしてイチャつくこと前提に部屋に行こうって言い出したの!?」
蔵馬「あれ?気づかなかった?」
「気づくか!!!」
っていうか、気づきたくない…。
まったく蔵馬はホントにまったく…
「ねェ、蔵馬。本気で怒るよ?」
蔵馬「どうぞ」
「『どうぞ』じゃない!!
大体秀一はね!!……」
と、十分程似たようなやりとりが続いた。
蔵馬「時音」
「……」
蔵馬「ねェ時音」
「…………」
蔵馬「……ハァー、悪かったって。オレも調子に乗りすぎたのは事実だから、機嫌直して」
「じゃあ……買い物に…」
蔵馬「え?」
「今度のクリスマスイブ、買い物に付き合ってくれたら許してあげる」
私がそう答えると、秀一は目をパチパチさせて私を見る。
蔵馬「……買い物?デートじゃなくて?」
「当たり前でしょ」
ギロッと秀一を睨むと秀一は困ったように笑いながら『わかった』と言ってくれた。
蔵馬の意地悪にはホント慣れない。
ていうか慣れたくない。
でも、そんな蔵馬も好きと想ってしまう私は、かなり重症なんだと思う。
だから、今日からまたつくることができたこの関係と時間を、大切にしていこう。