第4章 「最後に……。」
その瞬間、再び來美の目から涙が流れ始める。遊騎は、心配そうに來美を見る。來美は、首を左右に振り大丈夫…と呟く。
「人見、聞こえたよ。貴方の声を……。ここまで導いてくれてありがとう…。貴方の分まで生きるね。」
來美は、微笑んでツカイタワーから見える空の方を見る。その時、遊騎の表情はムス…としていてどこか珍しく不機嫌だった。
「なんか、1番に取られた気分や…。」
その一言に、クスと笑い出す來美。そのまま、來美はギュッと遊騎に抱き付く。その勢いで、遊騎は少しよろけたが、すぐに受け止める。
遊騎は、そのままの体勢で來美の耳元で囁くのだ。
「…來美、愛してるで…。」
「…私もだよ。愛してる……。」