第10章 ~居場所~
打が彼奴は、オレに散々物を投げ付けられたにもかかわらず
『オレを易しく、抱き締めた』
オレは、腕の中で暴れた
お前の腕の中が、無償に暖かくて
お前の言葉が、無償に易しくて
お前の温もりが、無償に心地良くて
オレは無意識に、こいつの背中に
『腕を、廻した』
別に、気を許した訳では無い
お前の与える易しさに、身を委ねたかっただけ
お前の与える心地良さに、身を委ねたかっただけ
お前の傍に居たいと想った訳では無い
打が、お前が望なら、傍に居てやる
打から
打から、オレの伸ばした掌を放さないでくれ
オレが、やっと見付けた
居場所、打から・・・