第9章 ~政宗と幸村~
「・・・大丈夫だ、小十郎・・・オレは、何処にも行かねぇ。真田と話をするだけだ・・・」
政宗は、そんな小十郎に微笑みながら呟いた。
打が小十郎は、政宗の顔を見るなり、顔を俯かせた。
すると政宗は、小十郎に抱き付いた。
「・・・・・・っ?!」
「そんな泣きそうな顔すんじゃねぇよ、小十郎。オレの居場所は、小十郎の腕の中だけだ・・・」
「・・・・・・政宗・・・っ、」
暫く経った後、政宗は静に小十郎から放れた。
そして、小十郎に微笑みながら話し掛けた。
「・・・小十郎・・・話が終ったら、張と、戻って来る・・・其まで、待って居られるな・・・?」
「・・・・・・・・・分かった、待ってる・・・」
小十郎は、少し哀しげな表情をしながら、政宗の額に口付けした。
政宗は、小十郎の口付けに微笑み、幸村の元へ、歩を進めた。
「・・・真田・・・二人っきりで話がしてぇ。」
「・・・某も、政宗殿に話があるで御座る。」
幸村は佐助に、其の場に待機する様にと命じて、政宗と供に、山奥に歩を進めた。