第7章 ~政宗奪還作戦2~
上田城に戻った幸村は、直ぐ様佐助を呼び出した。
「・・・佐助、佐助ェ!」
「ーハイハイっと。どうしたの、真田の旦那?奥州に行ったんじゃなかったの?」
猿飛佐助は、真田忍隊隊長を務める忍頭。
武田信玄の名により、幸村を影から支えて居るオカン的存在だ。
今日も政宗殿に会いに行くと言って供を着けずに出掛けた幸村が、帰って来て早々、自分を呼び出すモノだから、佐助は少し困った表情をしながら、幸村に問い掛けた。
其に幸村は、俯き加減に答えた。
「・・・・・・政宗殿が・・・居なく為ったのだ・・・」
「・・・・・・はい?独眼竜の旦那が、居なく為った??」
「・・・ウム・・・成実殿が、政宗殿が片倉殿と一緒に、遠乗りに出掛けたと・・・打が、居場所が分からぬとも申しておった・・・」
「・・・右目の旦那が、独眼竜の旦那とねぇ・・・」
幸村の話を一通り聴いた佐助は、顔を曇らせた。
(・・・独眼竜の旦那が、右目の旦那と一緒に遠乗り・・・しかも、居場所が分からないと来た・・・右目の旦那が、そんな事を仕出かすか?独眼竜の旦那は、真田の旦那の心中を知った上での行動・・・どうも引っ掛かる・・・)
然し、幾ら考えても答が見えてこなかった。