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楔~貴方と供に堕ちて行く~

第6章 ~政宗奪還作戦~


上田城から一人の男が、奥州に向けて馬を走らせて居た。
全身紅で統一された武具を身に纏った武人。
武田軍家臣、真田幸村だ。
彼は今、自分の想い人、政宗に逢うために奥州に向かって居た。

青葉城に到着した幸村は、城門を潜り、政宗の謁見を願い出た。
打が、伊達軍家臣らは挙って首を縦に振らなかった。

「何故、政宗殿に逢わせられないので御座るか?」
「我等が殿は、所用で城には居らぬ。出直してくれ。」
「では、何時お戻りになるか教えてくれるで御座らぬか?」
「我等も分からぬモノは、お教え出来ぬ。」
「其所を何とかー」
「ー梵が居ない時に、何を騒いで居るんだ!」

騒ぎを聞き付けた一人の男によって、城門は静まり返った。

「梵が留守の城を護る城門番が、客人相手に何を騒いで居るんだ!」
「成実殿、客人が中々帰って頂け無かったので・・・」
「帰らない客人だ?何処のどいつだ?」
「武田軍家臣、真田幸村と名乗る者です。」
「・・・真田?」

幸村の名が出た瞬間、成実の顔が歪んだ。
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