第2章 2
キーンコーン、カーンコーン
新入生たちはゾロゾロと
体育館へ向かう
担当教員の先導により
出席番号であろう順に並び
まだ出会ったばかりの友達と
ぎこちなく会話をしながら進んでいく。
奈央の苗字は桂木
当然、瑞希よりは前に並んでいる
『(あーあ、奈央と離れちゃった)』
先ほどから瑞希になにやら
話しかけているのは
瑞希の前に並んでいる
白河 圭だ
「ね、君なんて名前?
今日入学式終わったら
遊びに行こうよ!」
瑞希は乗り気ではなかったが
あまりにもしつこいため
しぶしぶ承諾した。
そのことを奈央に話すと
「え?もう?相変わらずだなー瑞希は。
で、本当に行くの?」
奈央が楽しそうに話す。
『うーん、高校での初めての
友達になれるかもしれないし!
奈央も一緒に行ってくれる?』
奈央は白河くんを呼んだ
「おっ、桂木っちも来る?」
「男子来るの白河くんだけ?」
「いや俺の他にも何人か来るって」
「じゃあ、瑞希が行くって言ってるから
私も行くよ!」
「おっけー!じゃあ俺先に
行ってるから校門集合な!」
圭のはしゃぎように瑞希は
少しだけだるそうだった。