第10章 10
そこへ圭と奈央と花音がやってきた。
「瑞希!どうだった?」
『今日は帰って病院行けってー。』
「そっかー。じゃあ送るね!」
『あ、翔君と悠斗君が送ってくれるって!』
「そっかぁ!じゃあ安心だね♪」
学校で自転車を借りた翔と悠斗は
翔の後ろに瑞希を乗せて
家路に着く。
翔の服を軽く握る瑞希の体は
ひどく不安定だった。
「…おい。そんなんじゃ落ちるぞ。
ちゃんと掴まっとけよ」
『あ、うん…』
先程より少しだけ体が近くなる
その光景を見ている悠斗の心境は複雑だった。
そして、決意を決め
「…なあ、瑞希」
『なに?』
「月曜日、俺が迎えに行くよ」
『そ、そんなの悪いよ!』
「元はといえば俺があの時止めてなかったせいだから」
月曜日の時間を瑞希に伝えると
悠斗は帰っていった。
そして2人も何にもなく家に着いたのだった。